Frontisland
Multirole “01”

新たにデザインしたシェイプで2022年に完成したモデル。
コンセプトは“汎用性”です。同一のボディ形状でフロイドローズからT.O.M.まで多彩な搭載が可能なデザインとしました。




ギター開発コンセプト

ベースとなるデザインはそのままに、“搭載するブリッジやピックアップの装備を変更することで多彩な方向性に対応するギター”をコンセプトにデザインを行いました。
スケールは648㎜で24フレット仕様です。大きめのピックガードが特徴でコントロール配置にも柔軟性を持たせています。

frontisland-Multirole-シンクロトレモロ

シンクロタイプのトレモロユニットを搭載し、2ハムをトグルスイッチで切り替えるコントロールで、2ボリューム、2トーンのトップジャック仕様のイメージです。

Frontisland-Multirole-FRT

フロイドタイプのトレモロユニットを搭載し、SSHをレバースイッチで切り替えるコントロールで、1ボリューム、1トーン、タップ切替ミニスイッチ付きのサイドジャック仕様のイメージです。

frontisland-Multirole-BIGSBY

ビグスビータイプのトレモロユニットを搭載し、2ハムをトグルスイッチで切り替えるコントロールで、1ボリューム、1トーンのサイドジャック仕様のイメージです。

今回製作したギターの仕様

Frontisland M01 BODY

今回はチューンオーマチックタイプのブリッジを載せてみました。
シースルーグリーンのボディカラーに蛍光グリーンのピックガードを合わせたカラーリングとなっています。

Frontisland-M01 HEAD

ヘッドトップ面はボディの雰囲気に合わせてグリーンカラーをグラデーション塗装しています。
ネックグリップは艶消し仕上げとしました。

Frontisland M01 LED

ポジションマークカラーはライトグリーンです。サイドポジションも光らせるつもりでしたが、組み込みの段階で部分的に断線が判明した為、残念ながらサイドポジションは光らない仕様ということにしました。
Frontisland-M01-蛍光PGピックガードは光を浴びると光ります。

Frontisland M01 配線

今回制作したモデルは杢目を活かす為にコントロールキャビティを裏からザグっています。
コントロールキャビティは広めの設計としていますので、コントロール配置の柔軟性やボディ重量の軽減効果を狙っています。

Frontisland“07”

Frontisland“07”

全体的な雰囲気は以前作った緑色のこちらのギターの姉妹機となるようイメージして制作を進めました。

コントロール

Frontisland-M01コントロール解説

コントロールはピックアップの出力コントロールとLEDのコントロールに分かれています。

2ハム-トグルスイッチ-1V(フェイズ)1T(タップ)配線図

配線図はこんな感じです。
トーンポットはスイッチ付きポットを使用し、フロントとリアのタップ切り替えを同時に行います。
タップ時にはそれぞれ内側のボビンがキャンセルされますが、フロントピックアップに限ってはアウトフェイズモードの場合には内側ではなく外側のコイルがキャンセルされる配線コントロールとなっています。
ボリュームポットはフロントピックアップの位相を反転させるスイッチとなっているので、トグルスイッチがフロントとリアを出力するセンターポジションに居る場合にはフェイズサウンドが出力されます。

制作風景

制作過程の写真をほとんど撮っていなかったので作業の紹介は出来ませんが、加工途中の写真がありましたので紹介します。

リョウビ ベルトサンダー (3)

ネックはフレットを打つ前くらいの段階の写真です。
メイプルネックのローズ指板です。

Frontisland M01_123924

ボディはトップ材がローズストライプ入りのメイプル3ピースで、バック材がマホガニーです。

リョウビ ベルトサンダー凹み面加工

粗加工はほぼ完了した状態で、木地仕上げの手前くらいだと思います。

ギターザグリサンプル

コントロールキャビティの加工後の写真です。
最終的にはフタを付けて見えなくなる部分ですが、安っぽくならないような造りを目指しています。

まとめ

Frontisland-M01-01

搭載するブリッジやピックアップの装備を変更することで多彩な方向性に対応するギターとしてデザインしてみた今回のギターですが、今回の仕様がどんな方向性を狙っているのか作った本人が説明出来ないのが本音です(笑)

今回はサイドポジションの一部のLEDが光らないという悲しいトラブルが発生しました。
修正するためには接着した指板を剥がす必要がある為、サイドポジションは光らない仕様ということにしました。残念なことですが、ギターとしては良いものが出来たので良しとします。

木材・形状・パーツの組み合わせのサウンドの特徴や演奏性を把握し、次は違う仕様で制作してみたいと思います。

製作ギター

関連記事