スイッチポジションと接点構成
このページでは、エレキギター・ベースに使用される主なスイッチの紹介と、そのスイッチのポジションにおける接点の状態を図で表しています。
接点の構成はメーカーによって異なります。このページで紹介している接点構成は楽器店にて取り扱いのある代表的なものですが、稀に接点構成が違っていたり逆になっているものもありますので、配線を組む前にはテスターを使用して接点の構成を確認することをお勧めします。
ミニスイッチ

ギターやベースの配線改造によく使用されるミニスイッチのスイッチポジションに対する接点の繋がりを色別に表しています。
基本的にはイラストの構成となりますが、メーカーや品番によって接点構成が異なります。
特に12ピンのON-ON-ONスイッチはイラストのような接点構成のものや6ピンのスイッチを二つ並べた接点構成のものが存在する為、配線時にはテスターで通電の確認を行う必要があります。
ノブのカラーはシルバー・ブラック・ゴールドがあり、ノブの形状は平型と丸型があります。
3WAY・5WAYレバースイッチ

スタンダードなテレキャス配線に使用する3WAYとスタンダードなストラト配線に使用する5WAYのレバースイッチです。こちらのスイッチは共に2回路となっています。
平面で書くとこのような感じになってしまいますが、実物は赤い回路と黄色い回路が表面と裏面に分かれています。(メーカー・品番によって形状等は異なります)オープンタイプであれば目で見て接点が判断できますが、ボックスタイプはテスターでの接点確認を行います。
取付ネジと取付ノブのサイズにはインチとミリの2種類の規格があります。
スイッチを購入する際にはノブが付属しているか確認しましょう。
5WAYスーパースイッチ

5wayのレバースイッチです。4回路5接点です。
接点構成は色分けした通りです。
平面で書くとこのような感じになってしまいますが、実物は赤+黄色、緑+水色の2枚に分かれています。(メーカー・品番によって形状等は異なります)
よく使われる5WAY に比べてコントロールパターンの設定の自由度が高いスイッチです。
3WAY4回路レバースイッチ
よくある3WAYのスイッチは3接点2回路ですが、こちらのスイッチは回路数がの倍の3接点4回路となっています。2回路では組めない少し複雑なコントロールも配線可能となります。
接点の構成図はAmazonの商品説明欄にあります。
4WAY2回路レバースイッチ
4WAYのレバースイッチです。
よくあるテレキャスターは3WAYで「ネックP.U・ミックス(パラレル)・ブリッジP.U」というコントロールですが、こちらのスイッチでは「ネックP.U・ミックス(パラレル)・ミックス(シリーズ)・ブリッジP.U」というコントロールの組込みが可能となります。
接点の構成図はAmazonの商品説明欄にあります。
配線例はこちら
→テレキャスター4WAYレバースイッチ配線例
5WAY2回路(10ターミナル)
6WAY2回路レバースイッチ
6WAYのレバースイッチです。
工夫次第で5WAYのスイッチよりも1パターン多いサウンド出力設定が可能です。
接点の構成図はAmazonの商品説明欄にあります。
配線例はこちら
→ストラト6WAYレバースイッチ配線例
トグルスイッチ

3wayのトグルスイッチです。
上の段はスタンダードなレスポールタイプのギターに使用される2接点のスイッチで、レバーを倒すことで接点が離れる仕組みです。
3ピックアップ用のトグルスイッチより接点数の少ないエコノミータイプとなります。
本体の形状はロング・ショート・L字タイプがあり、コントロールキャビティ―に収まる物を選択する必要があります。
下の段は楽器店で取り扱いのあるボックスタイプです。
トグルスイッチ配線補足説明
オーソドックスなトグルスイッチの解説です。
スイッチは黄色と赤の接点のON-OFFと青と緑の接点のON-OFFをコントロールします。
レバーが中央にある状態では黄・赤、青・緑共にONの状態です。
レバーを右に倒すと黄・赤の接点が離れてOFFになりなす。(青・緑はONのまま)
逆にレバーを左に倒すと黄・赤はそのままで青・緑の接点が離れる仕組みです。
一般的なギターの配線では、フロントとリアのピックアップの出力線を黄色と緑へ接続します。
赤と青の端子は結線し、ホット出力線としてジャックやコントロールへ接続します。
本体フレーム部分(紫色)に繋がる端子はアースの端子ですのでアース線を接続してください。
3ピックアップ用トグルスイッチ

3ハムのレスポールはエコノミータイプのトグルスイッチと違い、接点・端子が多い造りになっています。
本体形状はストレートタイプのものとL字のものがあり、ストレートタイプはロングとショートのタイプがあります。
3ハムのレスポールタイプの配線図は別ページで紹介しています。⇨配線図へ移動
トグルスイッチの改造
エコノミータイプのスイッチ2つの組み替えで3ピックアップ用のスイッチの製作が可能です。
今回は下段のスイッチを組み立てます。
スイッチは同じ物を2つ用意します。スイッチを分解する為にネジを2本外します。
接点は茶色の絶縁プレートに挟まれています。ネジ部分は絶縁スリーブが入っています。
使用する部品は写真右下の端子です。資料1のイラストでいうと青い端子です。(赤でも可)
ショートトグルスイッチ
(サウンドハウス)
今回使用したショートタイプのトグルスイッチは組み換えが可能でしたが、組み換えが出来ないものもあります。
Free-Way Switch 3×3-03
トグルスイッチは3ポジションのものが一般的ですが、こちらのスイッチは6ポジションの切替えが可能となっています。
レスポールやSGタイプのギターではタップサウンドの出力パターンを追加したり、3ピックアップのコントロールにも柔軟に対応することが出来ます。
スライドスイッチ

上の段がムスタングタイプのギターに使われる3ポジションのスライドスイッチで、下の段はジャズマスターやジャガータイプのギターに使われるON-ONのスライドスイッチです。
上の段はON-OFF-ONと記載していますが、実際には隣り合った接点がスライドしていく構造となっており、中央2つの同じ色同士の端子を繋いで使用することでON-OFF-ONのスイッチとして成り立ちます。
操作ノブのカラーは黒・白・赤、等があります。
スイッチ付きポット(プッシュ・プル)(プッシュ・プッシュ)(S1)
イラスト上段はプッシュ・プルタイプのスイッチ付きポットです。
ノブを引き上げるとスイッチ接点が切り替わり、色付けした端子同士が通電します。
同じ形状で押し込む度にスイッチが切り替わるプッシュ・プッシュタイプもあります。プッシュ・プッシュタイプもプッシュ・プルタイプも接点の構成は同じ為、配線接続方法も同じとなります。
プッシュ・プッシュタイプの方が操作性は良く、特に引き上げにくいノブ形状の場合には有効です。
イラスト下段はフェンダーのS1ポットです。コントロールノブのトップ面がプッシュ式のスイッチになっています。
ミニスイッチON-ONの12ピンと同じ機能となります。
上段のスイッチポットとは違い、スイッチングによってノブ自体が上下しないので、上がったノブが演奏の邪魔をするようなことはありません。
ノブは専用ノブが必要となります。ポットのシャフトはソリッドタイプとスプリットタイプがあり、それぞれノブとの組み合わせにより使い分けます。
まとめ
ギターやベースのコントロールはスイッチをうまく組み合わせることで多彩なサウンドバリエーションを持たせることができます。
スイッチ付のポットは見た目の印象も変わらず本体無加工で設置出来る場合もあります。
一部のメーカーのものはこのページに掲載している接点構成図と接点構成が異なる場合がありますので、配線前にはテスターでの接点確認をお勧めします。
こちらの動画内でスイッチの接点確認をしています。
テスターは抵抗(Ω)を計測するモードにセットします。動画内では通電時に音が鳴るモードでテストしています。