YAMAHA-BB

YAMAHA BB
メンテナンス

このページではヤマハBBのメンテナンスについて記載しています。

フロントピックアップの音が出ない

YAMAHA-BB-コントロール修正前

フロントピックアップの音が出ないということでやってきたYAMAHAのBBです。
確認したところ、確かにフロントピックアップからの出力がありません。

原因を探る為、ボディ裏のコントロールカバーを外して配線の状況からチェックしていきます。

音が出ないYAMAHA BB ポットの状況

コントロールの配線接続方法に間違いはなく、目視では断線箇所もありません。
ポットに盛られたハンダがモリモリですが、これが原因というわけもありません。

コントロールの配線接続には問題が無さそうなので、次はピックアップ本体を調べていきます。

ピックアップ断線テスト

テスターでピックアップの通電テストをします。
ピックアップの出力リード線にテスターの+と−を繋ぎます。
針は∞Ωの位置から動きません。この場合、どこかで断線しているということになります。

YAMAHA BB ピックアップチェック_0409

さらに原因箇所を探ります。
ピックアップの出力線の付け根部分に原因がある場合がある為、問題が無いか確認をします。
ハンダ不良やコイルの断線をチェックします。

ここも原因では無かったので、本体に巻かれた線のどこかが何かしらの原因で断線しているのだろうと結論となりました。

YAMAHA-BB ピックアップチェック_04

載せ替えるピックアップの通電チェックです。
針はピックアップの持つ抵抗値を示しています。

交換するフロントピックアップは接続前に位相を確認し、リアの位相に合うように接続します。

JBタイプのピックアップレイアウトの場合、フロントピックアップとリアのピックアップの磁力方向とコイルの方向を逆にしてハムキャンセル効果を持たせている場合が多いのですが、この磁力方向とコイル方向は統一規格が無く、メーカーによって様々です。
なので、片方のピックアップのみ交換する場合、ハムキャンセル効果のある組み合わせにならなくなる場合もあります。

フロントとリアのピックアップを組み合わせて使用することが多いプレイスタイルの場合は気にするべきポイントですが、必ずしもこの組み合わせでなければいけないというわけではないので載せたいピックアップの組み合わせで位相を合わせて載せるというので全然OKだと私は思います。

YAMAHA-BB_配線修正後

ポットはガリノイズが目立ったので内部の清掃を行いました。
余分なハンダは除去して配線を組み直しました。

ポットのノブ取付部の修正

YAMAHA BB_ノブ写真のようにネジ固定式ノブのモデルでよく見かけるトラブルで、ノブが真っ直ぐ回らずに傾いて回るというものがあります。

YAMAHA-BB_ポットシャフト

スリット入りのシャフトに起きるトラブルです。
原因はノブを固定する為にねじ込んだ固定ネジがポットのシャフト部分を押し曲げてしまうことにあります。

YAMAHA BB_ポットシャフト修正

曲がってしまったシャフトを折れないようにマイナスドライバーで修正します。

スリット入りのシャフトにネジ固定式のノブを取り付ける場合には、ネジがスリットにハマる位置に合わせることでシャフトが変形せず確実な固定をすることが出来ます。ノブの角度位置が任意の位置にならない場合には、ポット自体の取付け角を調整するか、スリット部分にスペーサーを挟み込んでシャフトの変形を防いだうえでスリット以外の部分にネジ止めをします。

フレット調整

YAMAHA BB_フレット修正前

↑指板面清掃後、フレット施工前の写真です。
フレットのガタはありませんでした。摩耗やフレットエッジ部分の気になる所を手直ししてフレットを磨きます。

YAMAHA-BB_フレット修正後

フレット処理後の写真です。

全体のクリーニング

YAMAHA BB_ブリッジ(清掃前)

↑清掃前のブリッジの写真です。

外せるパーツは外してボディやネックを清掃します。
分解できるパーツは分解して清掃します。
必要に応じてグリスアップを行います。

YAMAHA BB ブリッジ(清掃後)

↑清掃後の写真です。

新品同様にするというよりは汚れを落とすイメージで作業しています。
新品で風格のあるギターやベースも良いですが、経年変化の雰囲気が似合うギターやベースも見ていて飽きませんね。

今回のまとめ

YAMAHA-BB_ワーモスバーズアイが素敵なワーモスネックのBBでした。

ギターやベースの修理では不具合の起きた部品を交換することで良くも悪くも音が変わってしまうことがあります。修理を機会に変化を楽しむのもエレキの楽さかもしれません。

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