Moon JJ-4

トーンがNG?

Moon-JJ-コントロール

全体的な点検と、トーンがNGなので見てもらいたいということでお預かりしたこちらのベース。
トーンが効かないというよりは効きが悪いと言った印象を受けました。トーンのポットとコンデンサを点検しても異常は無く、試しに同じ規格品に部品を交換してみましたが症状は改善されませんでした。部品そのものに異常が無いとすると原因が分かりません。Bカーブポット&223のコンデンサの組み合わせが不調を感じる理由ではないかとも思いましたが、話を聞いてみると「このベースのピックアップはバルトリーニが載ってるけどバルトリーニの音がしない。トーンを効かせなくても常にトーンが効いているような感じの音がする。トーンが壊れてるんじゃない?」という回答でした。

ならばということで、部品交換ではなくハンダ交換をすることにしました。使用したハンダはケスター44です。
全てのハンダを一旦除去し、ケスター44で配線を組み直しました。アンプから出力される音は高音域が鮮明に聞き取れる状態となり、トーンの効き具合も明確に感じ取ることができるようになりました。

トーンポットとコンデンサの交換

Moon-JJ コントロール変更後

ベース自体の音質を改善した状態でのトーンの効き具合に合わせてトーンのポットとコンデンサを交換しました。

B500→A500

ポットはB500からA500への交換です。カーブの変更を行うとノブの操作位置に対する音質変化量が変わります。音質そのものは変化しません。
Bカーブではトーンを効かせる方向にノブを操作してもなかなかトーンが効かず、後半で急激に音が変化する操作感です。Aカーブは比較的ノブの操作に追従したトーン変化が感じられると思います。
一般的にトーンのポットにはAカーブが用いられることが多い為、他のベースに慣れている場合にはBカーブのトーン操作には違和感を感じることが多いです。AカーブでもBカーブでも目的に合ったカーブ選択であれば問題ありませんが、今回はAカーブの操作性を持たせる為にAカーブのポットへと交換を行いました。

223→333

コンデンサは223から333へ交換しました。コンデンサ容量を変更することでカットする高音域の幅を広げています。
こちらのベースはポット容量が500kだったりと高音域特性を生かした仕様となっています。容量223のコンデンサをチョイスしているのもその狙いがあるからだと思いますが、ハンダ交換後の音質に対しての相性が333が良い感じだったので交換しました。223から333へ交換することによってカットする高音域の幅が広がる為、トーンを効かせた時によりマイルドなサウンドになります。

まとめ

Moon-JJマシンヘッド

友人を介してメンテナンスを依頼された今回のベースですが、オーナー様が「いい音」と喜んでくれたそうなので良かったです。

以下、今回のメニューです。

・フレット修正
・ナット弦溝調整
・ネックの反り(トラスロッド)調整
・配線組み直し(ハンダ交換)
・ポット交換(B500k→A500k)
・コンデンサ交換(223→333)
・全体のクリーニング
・セットアップ一式

 

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