ギター紹介
(スライドショーです↑)
こちらのギターは私の友人“黒幕さん“が所有するハルヒギターです。
2023年4月8日放送 TOKYO MXの「土曜はカラフル!!!」にて紹介されたギターです。
ギターには“涼宮ハルヒの憂鬱”のハルヒがペイントされています。こだわりのあるデザインでピックガードやピックアップカバーも着色されています。
印刷やシールではなく“手書き”だそうです。
黒幕さんはギター塗装工房を営む本職のギター塗装屋さんで、このハルヒは黒幕さんが個人的に楽しむ為に自分のギターにペイントしたものです。
リアのピックアップはダンカン59にプラスチックカバーを被せて塗装しています。フロントのピックアップもペイントのデザインと馴染む配置となっています。
ロック式トレモロを搭載していますが、イラストの面積を確保したいという理由でアームアップ用のリセス加工(ブリッジ下のザグリ加工)はしてありません。
コントロールはシンプルに、1ボリュームとピックアップセレクターのコントロールとなっています
フレットすり合わせ
フレットすり合わせ前の写真です。
中央17フレットが浮いており、音詰まりの不具合がありました。
よく見るとフレット右側1弦の下辺りの指板面にクラックが入っています。
フレットは一旦抜いて打ち直しをしました。
クラックも出来るかぎり補修しました。フレット浮きの原因はネックジョイントビスがフレット付近までねじ込まれたものによるものだと思われます。
ネックジョイントビスを加工して安全マージンを確保しました。
ホイールナットの取り付け
ホイールナットを取り付けて欲しいということで、取り付けを行いました。
ホイールナットとは、フロントピックアップ右側指板エンド部分についている穴の開いた黒いものです。
ネックを外さなくてもネックの反りの調整が出来る便利なアイテムです。
取り付け前の状態です。
このギターにホイールナットを取り付ける為には一旦分解し、指板エンド、ピックガード、ボディの加工が必要となります。
このギターはツバ出しといって指板エンドがネック本体から飛び出したタイプのネックです。
個人的にはホイールナットは指板エンドとツライチか、少しネック側へ入っている位置への取付がカッコ良いと思います。なので、今回はネック本体も少し削り込んでホイールナットが指板エンドとツライチになるようにします。
ホイールナットはシャフトを加工して長さを調整し、もともと付いていた六角ナットに接着します。
ボディ側にもホイールナットが収まるスペースが必要です。
トリマーで加工して黒く着色しました。
ピックガードもホイールナットの逃し加工をします。
ボディとの位置関係がおかしくならないように、ピックガードはボディに装着した状態でボディとピックガードを同時に加工しました。
ホイールナットの取り付け加工は手間は掛かりますが、ロッド調整の手間を考えると損は無い作業だと思います。
ホイールナットを付けて組み込みます。もとから付いていた感じに見えれば成功です。
ロッド調整ナット穴はネックセンターに開いているとは限りませんし、ネックポケットのセンターにネックが取り付けられているとも限らないので、カッコよくまとめるのはちょっと大変です。
配線処理
ピックアップやコントロールのキャビティには導電塗料が塗ってありましたが、その導電塗装面はアースへ繋がっている様子はありませんでした。
友人に確認したところ、「導電塗料を塗ったものの、高音域が弱くなりそうだったからアースへ繋ぐのはやめた」とのことで、あえて繋いでいなかったそうです。
ピックガード付のギターの場合の簡単な繋ぎ方はピックガード裏に貼ったシールドシール(アルミシート等)と導電塗装面を触れさせることですが、このギターはシールドシールが貼っていなかったので、キャビティ内にラグを設置する方法で処置を行いました。
今回は配線コントロールの改造は行いませんでした。
このギターは2ハムのピックアップレイアウトに対しコントロールは1ボリュームとピックアップセレクターというシンプルなものですが、フロントとリアのピックアップは逆位相の接続となっているのがポイントです。各ピックアップを単体で鳴らした時には普通のハムサウンドが出ますが、セレクターがフロントとリアのミックスポジションの時にはフロントとリアのフェイズサウンドが出力されるような遊び心のあるコントロールでした。
まとめ
今回の主な作業内容は下記の通りです。
・クリーニング
・フレット修正
・ホイールナット取り付け
・ネックセンターズレ修正
・ロックナット高さ調整
・ザグリ内アース処理
・弦交換
・セットアップ
弦はダダリオの09-42に交換しました。
作業の様子はYouTubeで公開しています。