工具紹介:トリマー
メーカー:マキタ
モデル:M371
トリマーとは
マキタ(Makita) 電子トリマ 6mm 3707FC
(Amazon)
別のページで紹介しているルーターと同じザグリを掘る機械ですが、ルーターよりも小回りが効く便利なツールです。私はエレキギターのピックガード製作やトラスロッドの溝堀り、セル溝の加工等に使用しています。
軸径φ6の刃物の取り付けが可能です。刃は形状は豊富でホームセンターでも取り扱いがある為、容易に入手が可能です。
刃物の種類
ここではギター制作に使用しているトリマービットを紹介します。
トリマービットは使用するトリマーの軸受(チャック)に対応した軸寸法のものを使用しましょう。
ストレートビット
超硬トリマービット ストレート 6mm (Amazon) |
超硬トリマービット ストレート ロングタイプ 6mm (Amazon) |
ストレートビットは電池ボックスの増設やピックガードの切り出しに使用しています。刃の径は様々な種類があります。インレイ等の細かな彫り込みには細いビットを使用しますが、刃が折れやすいので慎重な作業が求められます。
深さを必要とするザグリ加工にはロングタイプのトリマービットがあると便利です。
治具(テンプレート)を使用した加工
テンプレートガイドを使うと正確な加工が可能です。
φ10のガイドに対しφ6の刃物で加工を行うと写真のように治具から2㎜内側がザグられます。刃物とガイドのオフセットを把握してテンプレートを作成する必要があります。私の場合は3ミリのエンビ板で治具を作成し、加工に使用しています。トリマーのガイド長さは3ミリの治具に合わせて加工しました。
エンビ板は両面テープで固定してます。
加工中に治具がずれた場合、加工が失敗したり思わぬ事故につながる危険がありますので治具はしっかりと固定します。
両面テープはしっかりと固定出来て剥がしやすい再剥離タイプのものがお勧めです。
ボーズ面ビット(Rカッター)
ボディの面取り加工に便利なボーズ面取カッターです。
刃の先端にボールベアリングのガイドが付いている為、材料にベアリングを添わせて加工することで均一なR加工が可能です。
トリマーの底面からの刃の出し方が多いとボディトップ面に刃が食い込んでしまう為注意が必要です。初めは刃を逃し気味にセットするか、試し切りを行って実際の切り込み具合を確認することで刃の入り過ぎを防ぐことが出来ます。
面取りカッター
V溝ビット 90度 (Amazon) |
面取りビット 45度 (Amazon) |
刃の先端にベアリングガイドの付いたものが面取りカッターで、ボーズ面ビットと同じ使い方をします。
ベアリングが付いていないものはV溝カッターといいます。ベアリングのガイドがない場合にはトリマー本体のガイドを使うことで均一な面取りが可能です。
加工の際にベアリングが治具に食い込んで治具が変形することがある為、エンビ板のような弱い素材に対してはベアリング付きビットの使用は避けた方が無難です。
ベアリング付きは刃の出し具合で面取り幅を調整し、ベアリング無しは刃の出し具合や治具の調整で面取り幅の調整が可能です。
U溝ビット
シングルシャフトで円柱状のトラスロッドの溝の加工にはU溝ビットを使用しています。
ストレートビットで加工するよりもグリップ面とのクリアランスに余裕を持たせることが出来るというメリットと、U字型の溝がトラスロッドをホールドして遊びが少なくなる為、ロッドの共振のリスク回避のメリットがあると考えています。
使用に関しての注意点
トリマーを使用する際の注意点を大きく3つにまとめました。
①ケガに注意
どの加工機械にも言えることですが、ケガに注意が必要です。
鋭利な刃物が高速回転する危険なツールです。刃物の脱着時にはコンセントを抜き、安定した場所で作業が行える作業環境が必要です。
保護メガネをかける等、ケガの予防処置を行ったうえで用法を守り安全に使用しましょう。
②作業環境への注意
可動時には大きな動作音がします。作業音が響く場合には近隣への配慮が必要です。
③切削方向に注意
刃物の回転に逆らって材料を送ることをアップカットと言い、その逆をダウンカットと言います。
ハンディルーターの場合、ダウンカットで材料を送った場合に不意に材料を持って行かれることがあり危険な為注意が必要です。また、割れやすい木材でアップカットで材料を送った場合には材が割れることがあります。状況に合わせて安全な加工を行いましょう。
※解説の写真はルーターです。
使い方(ストレートビットの場合)
ビット(刃物)の取付
ビットを取り付ける際には電源ケーブルをコンセントから抜いた状態で行います。
付属のレンチを使用し、適切なトルクで刃物を固定します。
深さの設定
トリマーを加工する材の上に置き、ストッパーを緩めて本体を下げ、材に刃の先端が触れる位置でストッパーを固定します。
掘りたい深さの位置にマスキングで印を付けます。
深さの設定が終わったらストッパーを緩め、刃を材から逃しておきます。
加工
コンセントに繋いだトリマーを材の上にセットし、刃が材料に触れていない状態でスイッチを入れて刃を回転させます。
本体が勢いよく下がらないよう、手でしっかりと支えた状態でストッパーを緩めてます。ゆっくりと本体を下げて刃を1〜2ミリ材に入れたらストッパーを固定し、時計回り(右方向)に移動させて加工したい部分の切削を行います。
この作業を繰り返して目的の深さまで加工を進めます。加工が終わったらスイッチを切り、刃が完全に停止してからトリマーを材から離します。
まとめ
ルーターと違って片手で作業出来る取り回しの良さがポイントです。
小物の溝加工には便利なツールです。
トリマーはリーズナブルな物からプロユースの製品までラインナップが豊富です。