6弦のタルボを7弦に改造しました。
タルボとは?
タルボとは、東海楽器のアルミボディのギターです。
タルボのボディは金属(アルミ)で出来ています。
ボディ本体がノイズシールドの役割を担うので余分なノイズが無く、明瞭で伸びやかなサウンドが特徴です。
タルボには様々な仕様のものが存在します。
タルボにはアルミの他にも木材で作られたものやアクリルで作られたものまで多種多様です。
機能面においてもサスティナーを搭載したものやギターシンセを搭載したものまで様々で、LEDポジションマークやレーザー銃などステージを沸かす面白いギミックを搭載したものなどが存在します。
タルボを探している方は様々な仕様のタルボが揃ったイケベ楽器さんがお勧めです。
今回の改造コンセプト
改造のベースとなるのはA-150SH-MB-Hというタルボです。
今回の改造の主なポイントは3つです。
① 6弦から7弦に仕様変更
タルボには7弦仕様のモデルは存在しませんが、その音響特性から7弦での相性も良いのではないか?というところから改造をスタートしました。
そのままのボディ形状では幅が足りずにピックアップ等のパーツやネックが収まらない為、ボディを中央でカットしてスペーサーを挟んでワイドボディ化しています。
ボディが分割式になったり木材とのハイブリッド構造となった為、本来の構造とは違ったかたちとなりましたが、明瞭感のあるガツンとしたサウンドは期待以上のもので、音の伸び方にも特徴があると感じました。
② 22フレットから24フレットに仕様変更
個人的に24フレットの仕様が好きだという理由で22フレットから24フレットに変更しました。
③ 2色のLEDでカラー切り替えを行う
シルバーのボディは何色のLEDと組み合わせても相性が良いので、今回は単色ではなく赤と青の2色のLEDで青、赤、赤+青の3パターンの点灯色の切替機能を持たせました。
赤+青の時には見る角度によって色の見え方が変わるので面白いです。
ネックの制作
ネックは欅(ケヤキ)指板はローズで作りました。
こだわったポイントはSAT-2の搭載です。
SAT-2はネックを取り外さずにトラスロッドの調整を可能とするアジャストシステムで、ネックヒールサイド部分の六角ボルトで反りの調整を行います。
通常のSAT-2は6弦のネック幅を想定した造りとなっており、そのまま組み込んでも写真のようにヒールサイドとボルトの頭がツライチの高さにはなりません。なので、ボルトの交換等を行なってツライチに合うよう調整しています。
ボディの加工
色々悩みましたが、ワイドボディ化が一番パーツの収まりが良いのではないかということでボディを半分にカットしてスペーサーを作成することにしました。
ちゃんと繋がるのか?強度的に大丈夫か?という不安はありましたが、とりあえずやってみることにしました。
ボディのワイド化やフレット数の変更に伴いブリッジやピックアップ位置も見直しが必要となる為、パーツが自由に配置出来るようにボディ内部はフラットに加工しています。
ブリッジ位置に合わせてスプリングハンガー取付位置も変更しています。
弦長は変えていませんが、フレット数が増えたことや規格の違うブリッジを載せることでスプリングハンガーの位置も変更する必要がありました。
ポジションマークのLED用に電池BOXを設置する為、ボディ裏に取付穴を開けました。
純正のタルボも電池ボックスが付いたモデルは一部のものを除いてだいたいこのタイプのもの(BB-04)がこの位置に取り付けられています。
ブリッジ部分は木材でアタッチメントを作成しました。
アタッチメント部分は脱着が可能なので別のブリッジに載せ替えることも可能です。
ハウリング防止を目的としたボディ内のスポンジも上手く収めることが出来ました。
ノイズシールド効果を持った金属ボディの特性を維持する為にボディ同士の接続用に作成した木製のジョイント部にも導電塗料を塗布しています。
意外と違和感なくワイドボディ化することが出来ました。
ボディセンターのジョイント部分はネックと同じ欅で作成しました。木の質感を活かした仕上がりにしています。
コントロール
2ハムに5WAYのレバースイッチの組み合わせでコイルタップの出力を選択可能にしました。
ボディの材質や構造上の特性だと思いますが、クリーンサウンドが煌びやかでコイルタップの音が良い感じです。
ストラトタイプのギターで使われている5WAYスイッチではこのコントロールは組めない為、独立端子タイプのレバースイッチを使用しています。
まとめ
今回はアルミボディのワイド化ということでなかなか大変でしたが、サウンドには明瞭感があり音の伸びも良いので弾いていて楽しいギターになりました。
心配していたボディの強度は全く問題なくしっかりとしています。
完成重量は4.5キロでした。
今回の改造は技術の向上とギター構造研究を目的としたものとして行いました。
改造作業の様子はYouTubeで紹介しています。