FERNANDES Burny MG-X hide 改

FERNANDES
Burny
MG-145S 改

フェルナンデスのBURNY MG-145S(現行品番:MG-165S) hideモデルを自分好みの仕様に改造しました。
このページでは改造内容やギターの仕様を紹介しています。

マテリアル

ボディ材:バスウッド
ボディトップ:フレイムメイプル
ボディバック:マホガニー+メイプル
ネック材:メイプル
指板材:ローズウッド (400R)
ネックジョイント:セットネック
スケール:628㎜

【主要パーツ】
ペグ:GOTOH SG301 改
ナット:カーボン
フレット:JESCAR #58118(ステンレス)
ブリッジ:GOTOH GE103B 改
テールピース:GOTOH GE101Z 改
ボリューム、トーンノブ:GOTOH VK-18 (Gold)
LEDコントロールノブ:GOTOH VK-15T
バッテリーBOX: FERNANDES FER-2
ストラップピン:JIM DUNLOP SLS1404GSLS1104G
ストラップピンクッション:Felt
LED ON-OFF:ON-ON-ON 12P ミニスイッチ

【ピックアップ】
フロント:Seymour Duncan Mark Holcomb Omega
リア:EMG 81TW

【コントロール】
ボリューム:25kA-500kA 2連スイッチ付ポット
トーン:25kA-500kA 2連スイッチ付ポット
コンデンサ(フロントP.U.用):Orange Drop 333
コンデンサ(リアP.U.用):Orange Drop 104
セレクター:3WAYトグル (3P.U.用)

【LED】
カラー:ピンクLED
コントロール:ON-OFFスイッチ、点滅スピード調整、点灯パターン切替

※パーツ名をクリックするとリンク先(サウンドハウス)にてパーツの詳細が確認出来ます。

ギター紹介

BURNY バーニー MG-145S
(Amazon)

私がギターを始めるきっかけとなったバンドはXjapanです。そして、人生2本目のギターとして入手したのがhideモデルであるFERNANDESのMG145Sです。
Xのhideさんモデルということと、サスティナーという凄そうな装備に惹かれて学生時代にお茶の水の楽器店で購入したものです。

修理ついでに改造しようとして分解した状態で何年も眠っていたものを自分好みの仕様に改造しましたのでこちらで紹介させていただきます。

今回の改造ポイントは以下の4つです。
①ボルトオンからセットネックへの仕様変更
②サイケ柄にする
③LEDポジションマークにする
④アクティブとパッシブのピックアップを混載する

ネック周りの仕様

FERNANDES Burny MG-X hide 改

Burnyのロゴを活かしたかったので、ヘッドトップは塗装を完全に剝かずに上塗りしています。
ナット付近は以前開けたテンションバー穴を埋めてブラックを吹いて隠しています。
ボディが黒なので、全体で見ると違和感は無いかと思います。

純正ナットは牛骨ですが、カーボンに変更しています。

FERNANDES Burny MG-X hide 改 (指板)

メインとサイドのポジションマークにLEDを搭載しています。
ポジション形状はドットタイプに変更し、指板は新たに製作しています。
メインポジションはスイッチの切替えで点灯・点滅パターンの選択が可能です。

指板Rは純正300Rから400Rへ変更しました。

フレットはステンレスのジャンボサイズです。

ネックジョイント部

FERNANDES Burny MG-X hide 改 (ネックジョイント)

ジョイントはボルトオンからセットネックに改造しました。
純正の状態よりもボディ上面から指板上面までの距離が短くなるようにセットしています。

FERNANDES Burny MG-X hide 改 (59)

調整後のブリッジ高さはセッティングを出した状態で純正より低くなるように設定しました。

FERNANDES Burny MG-X hide 改 (ネックジョイント) (2)ジョイント部分の形状はhide本人が使用していたスルーネックタイプのギターと同じ感じにしようかと思っていましたが、そこまで大きくカットしなくてもハイフレットまで十分手が届くので、強度的な面を考慮して写真のような形状に仕上げました。

ボディトップ

FERNANDES Burny MG-X hide 改 (Body top)

ボディトップはフレイムメイプルのシースルーブラックバーストの上にサイケデザインを施しています。

サイケ柄は本家をオマージュしたデザインを作成し、ゴールドカラー単色でレタリングを行いました。

FERNANDES Burny MG-X hide 改 (39)

サイケ柄はデザインが細かいので施工が大変でした。
ポスカのサイケとは一味違った感じに仕上がりました。

ボディバック

FERNANDES Burny MG-X hide 改 (54)

セットネック構造のギターですが、パット見た感じはスルーネックに見えるように材料を組み合わせています。

コントロールキャビティの形状やバッテリーBOXのレイアウトは変更しました。
バッテリーはEMG用とポジションマークLED用と分けています。

コントロール裏パネルは半透明のブラックで中が透けて見えるようにしています。

Tuned-By-Frontisland

ボディ裏は透明感のある赤いハートを入れてロリロリな感じにしてみました。

ピックアップ

hide本人のサイケの仕様はフロントピックアップがディマジオのスーパーディストーションでリアがEMG81となっています。
フロントがパッシブでリアがアクティブという特徴的な組み合わせです。

アクティブとパッシブはボリュームやトーンのポット抵抗値が違ったり、使用するトーンコンデンサの容量が変わる為、コントロールの組み方に工夫が必要となります。hideのサイケモデルのコントロールについては別記事にてまとめていますので、気になる方はそちらのページをご覧ください。
⇨hideのサイケギターのコントロールと配線図

アクティブとパッシブのピックアップを混載し、なるべくシンプルなコントロールの配線を組んでみたいと思いつつ、今回のギターに載せることにしたピックアップはフロントがダンカンのOMEGAでリアがEMGの81TWです。

フロントのOMEGAは以前から試してみたいと思っていたピックアップです。
OMEGAはリア用に設定されたピックアップですが、今回はフロントに載せました。

リアのEMG81TWは、EMG81にシングルサウンド切替え機能が搭載されたモデルとなっています。

コントロール・配線

FERNANDES-MG-X-hide改 コントロール解説

コントロールはLEDのコントロールとピックアップのコントロールの2系統に分かれます。

LED点灯のON-OFF切替えはプッシュ・プッシュタイプのポットを使用しています。
ノブを押し込むごとに点灯・消灯が切り替わります。
LED点灯パターンはロータリースイッチで5種類の中から切替えが可能です。点滅スピードコントロール機能も備えています。




ピックアップの配線図は以下のようになります。

Frontisland-MG-X-配線図

ピックアップセレクターは3WAYのトグルスイッチで、フロント(ハム)・フロント(シングル)・リアを切り替えます。
HSHピックアップ配列のギターを3WAYで切り替えて使うイメージです。
トグルスイッチは一般的なギターに使用されるものではなく、3ピックアップ用として販売されているタイプのものを使用しています。
アクティブとパッシブのピックアップを混載するにあたり、どのようなコントロールにするか考えた結果、フロントとリアのミックスサウンドは出力しないこととしました。

1軸2連スイッチ付ポット

ボリュームとトーンのポットは1軸2連のスイッチ付きポットを作成して使用しています。
ポットの抵抗体はアクティブ用が25kAカーブ、パッシブ用が500kAカーブとなっています。
配線はピックアップセレクターでコントロールごと切り替えるレスポールに近い配線方法です。

ミニスイッチはON-ON-ONの3WAYです。
ミュートスイッチ機能に加え、hideのサイケギターのコントロールをシュミレートするモード選択の機能を加えました。
このモードを選択した場合にはトーンコントロールはキャンセルされて1ボリュームとなります。
フロントピックアップは500kΩではなく25kΩのポットを使用している時と同じようなマイルドなサウンドとなります。
リアピックアップはトーン回路による高音域のロスが無いサウンドが出力されます。

改造工程

MG-X Frontisland

ここからは改造の様子を簡単に紹介していきます。

MG-X Frontisland

このギターはテールピーススタッドが緩くなって弦アースの線が抜けてしまったり、ボディが軽くてヘッド落ちしやすいという課題があり、補修や改造をしようと思ってパーツを外したままとなっていました。

MG-X Frontisland

ネックはヘッドトップ面以外の塗装を剥がし、指板を剥がします。
指板はローズウッドで新たに製作します。

MG-X Frontisland

サイドポジションにもLEDを入れます。
このモッキンバードは24フレットまでマークが入っていないのがデフォルトですが、私はポジションマークが無いと演奏中迷子になるので24フレットまでポジションマークを入れます。

MG-X Frontisland (10)

ネックのジョイントをボルトオンからセットネックへ変更するのでネックのヒール部分をメイプル材で延長しました。
ポジションマークのLEDを配線して指板を接着します。

MG-X Frontisland (109)

指板Rは300Rから400Rへと変更しました。
フレットはセル部分のタングの処理を行い、形状を指板Rに合わせてから打ち込みます。

MG-X Frontisland (89)

ボディは塗装を完全に剥離し、ビス穴等は一旦埋めます。

MG-X Frontisland (91)

ボディ裏面ネックジョイント部分からブリッジ位置にかけてメイプルとマホガニーのラミネートブロックを埋め込みました。
強度の向上と音質変化を狙ったものです。

MG-X Frontisland (95)

電池ボックスはレイアウトを変更する為、既存のザグリを一度埋めます。
コントロールキャビティ形状も変更します。

MG-X Frontisland (103)

コントロールキャビティの形状変更を行いました。
コントロールの穴位置は写真でポットが入っている場所のみ変更しました。

MG-X Frontisland (919)

ボディ裏面の化粧板をマホガニーとメイプルで作成しました。

MG-X Frontisland (108)

マホ+メイプル+マホの化粧板をボディ裏に接着しました。

MG-X Frontisland (2)

電池BOX等のザグリ加工を行いました。
裏パネルは落とし込み仕様で仕上げています。

MG-X Frontisland (96)

バスウッドでボディが軽くてヘッド落ちが起きるので、重い材を埋めてみました。
テールピーススタッド穴等も一旦埋めます。

MG-X Frontisland (9)

ボディトップ面にはフレイムメイプルの突板をラミネートしました。
とても薄いですが本物の木材なので、よくあるフィルム等のプリント物とは違い奥行きのある質感の仕上がりとなります。

MG-X Frontisland (110)

杢目の濃淡を明確にする為に木地着色を行いました。

MG-X Frontisland (35)

ネックをセットしてジョイント部分を形成しました。

MG-X Frontisland (37)

指板面にマスキングをして塗装準備が整いました。

この後、シーラー吹付→フィーラーによる導管埋め→サンディング吹付→研磨の工程を経て着色作業へ進みます。

MG-X 改造 (8)

着色途中の写真です。ボディサイドは黒の塗りつぶしです。
トップ面はシースルーブラックで着色し、外周をバーストさせています。

MG-X 改造 (24)

サイケ柄は実物のボディ形状に合わせてillustratorでデザインを作成しました。
ボディへのレタリングはゴールド単色で行いました。

MG-X 改造 (3)

ボディサイドとネックジョイント部は黒の塗りつぶしで着色し、バック面外周はバーストを吹いています。
当初はこのままクリアを吹いて完成と思っていましたが、なんだか味気ないので赤いハートを入れることにしました。

MG-X 改造 (6)

全体をマスキング処理し、ハートの部分のみに塗料が乗るようにして赤の塗料をシースルー着色します。

MG-X 改造 (7)

可愛い感じになりました。
色味も思っていたような感じになったので良かったです。

MG-X 改造 (27)

せっかくなので文字も入れることにしました。ボディトップと同じゴールドカラーでレタリングを施します。

この後はトップコートクリアを吹いて乾燥させ、水研ぎで表面を均した後にバフをかけて艶を出します。

EMG89-EMG81TX-高さの比較

リアピックアップはEMGを載せることを想定して作業を進めていました。
個人的には89が好きなので、89に合わせてピックアップのザグリ深さを設定していましたが、組込み直前にEMG81TWに変更しました。89と81TWは高さが5㎜違います。

ピックアップザグリ掘り下げ

そのままのザグリ深さではセッティングが出ないので、リアのピックアップのザグリを5㎜深く掘り直しました。

Frontisland MG-X弦通り確認

フレットの擦り合わせと導電塗料の塗付を行います。
指板に対しての弦通りの確認を行い、ブリッジやピックアップの位置決めを行います。

エスカッションはシースルーブラックのアクリル材から削り出しで作成しています。

Frontisland LED配線

ポジションマークLEDの配線を処理します。

Frontisland MG-Xコントロール

コントロール配線を組みます。
コントロール配線は複雑になればなるほどメンテナンス性は低下します。

EMG配線改造 (1)

EMGのピックアップ配線は専用のスイッチポットへソケットを差し込む仕様となっています。

EMG配線改造 (2)

汎用のスイッチポットやミニスイッチを使いたい場合にはカプラーを外して直接ハンダ配線を行います。

FrontislandMG-X配線コントロール

ボディ厚が薄いのでスイッチポットはギリギリ収まる感じです。

FERNANDES Burny MG-X hide 改 (68)

セットアップして各部のチェックをします。
弦高調整後のブリッジの高さやオクターブを調整した状態のブリッジ駒の位置に問題がないかを見ます。
音出しをしてコントロールの配線が間違っていないかを確認します。

まとめ

FERNANDES-Burny-MG-X-hide-改-(490)

長年眠っていたギターが装い新たに蘇りました。

一般的によくあるギターと同じ操作感のコントロールを組むことを意識しましたが、アクティブとパッシブの混載という点で、配線は一般的なギターよりも複雑な感じとなりました。

久しぶりな大がかりな改造で大変な部分も多くありましたが、楽しく作業を進めることが出来ました。
トラブルが起きなければ問題ありませんが、コントロール配線面でトラブルが起きた場合にはメンテナンス性は最悪です。

制作過程はこちらの動画にまとめています。

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