Gibson ES-175

Gibson ES-175

共鳴音の対策

[1~3弦で演奏時、4~6弦の開放弦の音が強くて気になる ]

・1弦5フレット(A)を鳴らすと4弦解放(Dの3倍音A)が鳴る
・2弦5フレット(E)を鳴らすと5弦解放(Aの3倍音E)が鳴る
・3弦4フレット(B)を鳴らすと6弦解放(Eの3倍音B)が鳴る

という相談内容でした。

ミュートしていない他の開放弦が共振してしまうのを鳴らないようにするのは困難ですので、実音を綺麗に鳴らす方向で調整を行います。

フレット擦り合わせ

フレットの状態を確認したところ、ローフレットの摩耗が激しい状態でした。
擦り合わせにて頂点出しを行い、各フレットの高さも整えます。

フレットが低くなるとチョーキングやビブラートをする時など、弾き難さを感じる場合があります。そういった場合にはフレットの打ち換えが必要になります。

フレットの頂点を整えて弦がフレットに触れる支点を“面”から“点”の状態にします。
今回の擦り合わせの一番の目的はフレットを押さえたときの力を“点”の部分に集中させることで軽いタッチで綺麗に音を鳴らすことです。

フレット擦り合わせを行った際にはナットの弦溝深さの確認・調整を行います。
ナットの弦溝の切り方はサウンドに大きく影響します。今回は共振音の問題がありますので、その音も確認しながらナットを仕上げます。

ピックアップ共振止め

演奏の際にピックアップが共振を起してビリつき音が発生するので対策を施します。

エスカッションの内側にスポンジクッションをセットしました。
ピックアップの高さ調整は今まで通り可能です。

全体の調整

ナットの弦溝とブリッジ駒の弦溝の修正
トラスロッド調整(ネックの反りの調整)
オクターブ調整
等の調整を行いました。

上にも書きましたが、ナット弦溝の仕上げ方によってギターの音は変わりますし演奏性やチューニングの安定性にも影響があります。ナットの調整はギターをメンテする際には重要な作業項目です。
このギターはブリッジ駒も弦溝切りを行う仕様です。ブリッジ駒の弦溝切りについてもサウンドに影響がありますので、確認と修正を行いました。

弦高が不必要に高い場合、演奏の際に弦が押さえにくくてきれいに音が鳴らなかったり音のピッチが不安定になる場合があります。ネックの反りの調整と弦高のセッティングを見直すことで楽にキレイな音が出せるようになる場合があります。

開放弦の共振を無くすことは出来ませんが、今回のメンテ内容で共振音が気にならなくなったということなので良かったです。