Fodera Imperial 5弦

Fodera Imperial

フォデラ インペリアル リチャードボナモデル
友人からのメンテナンス作業依頼品

弦に合わせたナットの調整

“使ってみたい弦があるけれど、ナットの弦溝と弦の太さが合わなくて使えない”という場合はナット弦溝の修正が必要となります。特に太い弦に張り替える場合は注意が必要で、ナットの弦溝に対して弦が太くてきちんとナットに弦が収まらない場合は以下の不具合が起きることがあります。

・ローフレットの弦高が高くなってしまうので演奏がしにくくなる
・ピッチ(音程)が不安定になる
・弦にテンションを掛けた際にナットが割れる

ナット弦溝の修正で改善される場合がほとんどですが、今回はサウンドの変化が欲しいということでローズウッドで新たにナットを制作することとなりました。

ナットの交換

交換前の写真。ブラスのナットが付いています。

弦はThomastik-Infeld JF345 を使います。他の弦と比べて価格はとても高いです。フラットワウンドの独特なサウンドがあります。
この弦に合わせてナットを作っていきます。

Thomastik-Infeld JF345
Thomastik-Infeld JF345 (サウンドハウス)

弦やロッドカバーを外します。
必要な場合はナットを外す前に現在の弦溝深さを確認します。

ナットを外します。ナットを外す時には“喰い切り”という道具を使うことが多いです。

削り出したローズウッドが溝にピッタリはまるように加工します。

上面を整えてナットファイルを使って弦溝を切っていきます。

最終的には弦を張った状態から現物合わせで仕上げます。
なるべくナットの弦溝を低くしてほしいという要望だったので、もとのナット弦溝よりも低めのセッティングになっています。

弦をフラットワウンドタイプに変えたことと、ナットの素材をローズウッドに変えたことで、サウンドはウッドベースに近い感じになりました。

フレットの青サビ(緑錆)

ギターやベースを放置しているとフレットがくすんだり、場合によってはサビてしまうことがあります。フレット表面の状態が悪いとチョーキングで引っかかる等、演奏に影響が出る場合があります。

ウエスで拭く程度では綺麗にならないくすみや錆を改善したい場合には研磨剤を使用して表面を磨く必要があります。

写真を撮り忘れましたが、今回フレット表面に発生した緑錆は研磨剤を使用してウエスで磨くことで綺麗にすることが出来ます。

研磨剤を使用する場合、指板面にマスキングテープを貼り養生をします。
マスキングテープの粘着が塗装に対して強い場合、マスキングテープを剥がすときに塗装も一緒に剥がれてしまうこともあります。粘着力の低いマスキングテープを使用するか、必要に応じてマスキングの粘着を落とす対策が必要です。

研磨後の研磨剤はきちんと拭きあげないと、演奏したときに指が黒くなる場合があります。

ナットの緩み

ピックアップバランサーノブの回転がスムーズではない状態でした。
ポットをボディに固定する取付ナットが緩んでいたことが原因で、ナットとノブが干渉していました。
ギターやベースは木が痩せたり、演奏の振動によりナットが緩むことがあります。1か所緩んでいた場合にはすべてのナットの締め付けを点検しておきましょう。