FGZ-400改

FERNANDES FGZ-400 改

フェルナンデスのFGZ-400のメンテナンスと改造をしました。
このページではメンテナンスや改造の内容の紹介をしています。

ギター紹介

私が初めて買った1本目のエレキギターです。

フェルナンデスのFGZ400というモデルです。
ボディはアルダーですが、キルトメイプルのような見た目のグラフィック加工が施されています。
まだギターの構造のことをよく知らない時期に四苦八苦しながらピックアップを交換したりコントロールを改造したりした思い出があり、愛着のある1本です。

何年もの間弾かずに置いてあったものですが、久しぶりに弾いてみたら状態がかなり悪い感じでした。

今回のメンテ・改造ポイントは以下の6つです。

① クリーニング
② 配線逃し加工
③ ジョイント部分の形状変更
④ フレット修正
⑤ 配線リフレッシュとコントロールの変更
⑥ トレモロ裏パネルの作成

クリーニング

FGZ400 改造

まずは分解していきます。

FGZ4000230

ネックやパーツを外しました。
Xのステッカーは剥がすことにしました。
ボディの大きな傷はそのまま残し、小さな傷は磨いて全体の艶を復活させる程度に磨きます。

ギターパーツクリーニング

パーツはバラして磨きます。
ゴールドメッキは研磨剤で磨くとゴールド感が無くなってしまうので注意が必要です。

ピックアップリード線逃し加工

FGZ4000227

フロントのピックアップリード線がセンターピックアップによって押し潰されている状態でした。
対策として、配線を逃す為に逃し加工を行います。

ボディ断面図2

デフォルト状態で配線穴の位置が高い位置にある為、ピックアップを下げた時に下に押し下げられる形となり、ピックアップリード線にストレスが掛かります。

ボディ断面図8

更に、画像の緑色部分を掘り下げてピックアップリード線の下方向への逃しを作ります。

FGZ4000239

配線の通る部分だけ掘り下げています。全体的に掘り下げる場合にはスプリングハンガー固定ネジ設置場所の肉厚確認に加え、ダイレクトマウントであるピックアップの固定ネジの長さ確認も必要です。

ネックジョイント部の形状変更

エレキギター始めてギターソロの練習をしている時に、ジョイント部分のボディが邪魔でハイポジションが弾き難く感じていました。
せっかくバラすので、ジョイント部分を斜めにカットして少しでもハイポジションが弾きやすくなるように改造してみたいと思います。

FGZ4000228

加工前の状態です。1弦側と6弦側のネックジョイント部分の塗装面にクラックが入っています。

強度面で問題が無いかどうか塗装を剥いて木部の状態の確認もします。

FGZ4000242

ネックセット部分を10㎜程度斜めに削り落としました。

FGZ4000243

クラック部分の塗装を削っていきます。
クラックの範囲は塗装膜のみで、木材にクラックはありませんでした。

FGZ4000245

ジョイント部分の塗装を剥いて角の面取りをし、下地を整えます。

FGZ4000248

削った部分を塗装します。

今回のような部分塗装の場合、塗った部分と塗ってない部分との境目が結構目立つことが多いです。
可能であれば全面塗装するか、目立たない部分で繋げる工夫が必要です。

FGZ400改_301

組み込むとこんな感じになります。
ジョイント部が薄くなった分、ハイポジションの演奏性が良くなりました。

FGZ400改_300

強度的には問題ありません。
部分塗装の色合わせも、パッと見た程度では違和感無い感じです。

FGZ400改_302

ネック固定用のネジは、ジョイント部が薄くなった分だけ短く加工します。

フレット修正

FGZ400改_292

ギタークラフトの専門学校時代にフレットの摺り合わせを行いました。それ以来、あまり弾いていなかったこともありフレットの消耗はありませんでしたが頂点出しが甘かった為、今回は頂点出しをメインにフレット修正を行いました。

配線リフレッシュとコントロールの変更

FGZ400改_319

音が出たり出なかったりという症状がありました。
コントロールパーツはガタがきていたので全て交換することにしました。

FGZ400改_297

今回使用するパーツです。
ボリュームとトーンのポットはスイッチ付のものを使用し、ハムバッキングピックアップのタップやセンターピックアップのフェイズ切替の機能を持たせてみたいと思います。

FGZ-400改 配線図配線は上の図のようになります。
スイッチ付きのポットを使用してフロントとリアのタップコントロールとセンターのフェイズ切替を行います。

トーンのノブを引き上げるとフロントとリアのピックアップが同時にタップされ、シングルサウンドが出力されます。

ボリュームのノブを引き上げるとセンターのピックアップの位相が反転し、レバースイッチでフロント+センター又はセンター+リアのポジション時においてフェイズサウンドが出力されるようになります。

増設したミニスイッチはリアピックアップのシリーズ・タップ・パラレルを切り替えるスイッチとしていましたが、今回はスイッチONで全ミュートになるキルスイッチとなるように配線を行いました。

FGZ400改_309

フロントのピックアップはESPのパワーレールです。
シングルサイズながらも強烈なパワーを持ったピックアップです。

リアはダンカンのJBです。

ギターを買った時にXのBLUE BLOODというアルバムのバンドスコアも買いました。
当時はXばかり聴いていました。バンドスコアに機材紹介が載っており、PATAさんがダンカンのJBを使っているという情報を見ました。
その後、楽器屋さんで売っていたダンカンのJBがどうしても欲しくなり、買ってきて自分で載せ替えたのが一番最初のギターの改造です。

FGZ400改_305

ピックアップやコントロールのキャビティ内にはノイズ対策の為に導電塗装を塗りました。

FGZ400改_295

コントロールのパネルは過去に作成したものをそのまま使用します。
キャビティ内へ導電塗料を塗ったので、本来であればパネル裏にアルミシートや銅箔シートを貼ることでノイズ対策効果は更に有効となりますが、今回は見た目重視でいきます。

トレモロ裏パネルの制作

FGZ400改_318

過去に交換したコントロールの裏パネルに合わせて、同じ素材でトレモロ裏パネルを作成しました。
純正は艶消し黒で締まった感じで良いのですが、これはこれで面白いんじゃないかと思います。

まとめ

FGZ400改_290

古いギターですが、きっちり組み直すことでちゃんと弾ける状態になりました。
ギターは長年の使用により、フレットやスイッチ接点の消耗はどうしても起きるものですが、新しいものと交換することで演奏に支障が無い状態に戻すことが出来ます。
また、今回のようにコントロールの仕様を変更することで、今までに無い新しいサウンドの出力が可能となります。

交換した配線材やキャパシター等の種類・材質により、今までアンプから出力されていたそのギターの音質は少なからず交換前とは違ったものになります。
組み直し後にどようなサウンドが出力されるかという点も、このような作業の楽しみの一つです。

ネックジョイント部の加工によりハイポジションに手が入りやすくなりました。
ボディのジョイント部分を斜めにカットすることでハイフレットでの演奏が楽になりました。

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