Fender Telecaster(1989)

フレットのすり合わせ

フレット処理前

こちらは作業前の写真です。

今回のギターはフレットの状態が悪く、15フレットでチョーキングをした時に音詰まりが起きる状態でした。なので、フレットのすり合わせを行いフレットの高さを調整しました。

フレット処理後

こちらはフレット調整後の写真です。

フレットの調整により15フレット付近の音詰まりは改善されました。フレットのすり合わせついでにフレットサイドに残った塗装膜の除去とフレット角の面取りも行っています。

フレットの状態が悪いというのは珍しいことではなく、逆にフレットの状態が完璧という個体の方が珍しいかもしれません。
フレットは経年変化ですり減ったり浮いたりしてそれぞれのフレット高さのバランスが崩れます。また、フレット高さのバラつきはメーカーの出荷基準内であれば検査に合格して出荷される為、新品の楽器であってもメーカーの検査基準の弦高よりも低い弦高にした場合にはビビりや音詰まりといった症状が出ても当然という結果になります。

弦高数値

こちらはギターに付属されていた取扱説明書です。

今回のギターは1弦1.3㎜〜6弦1.9㎜のセッティングとなっている為、説明書に記載された基準下限値以下に調整していることになります。弦高は下げれば下げるほどビビりや音詰まりが起きやすくなります。弦高を下げてビビりや音詰まりが出るかどうかは演奏者の演奏スタイルや技術による部分もあると思いますが、定期的なメンテナンスで楽器の状態を整えるというポイントも大事だと思います。

全体の調整

ピックアップ

フロントのピックアップは高さの調整にゴムチューブが使用されています。
このゴムチューブはピックアップを固定するネジに通して使うものだと思っていましたが、今回のギターではピックアップの下に挟まれた状態で使用されていました。フロントのピックアップの高さを若干上げたかったので、ゴムチューブはネジに通して立てた状態にして組み直しました。

まとめ

Telecaster (Frontisland)25

今回の作業内容は全体の調整でした。
コントロールノブに緩みがあったりネックが純反っていたりしていた程度で大きな不具合はありませんでした。

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