修理前の状態
ノイズが酷いということでお預かりしましたが、特に異常なノイズは確認出来ませんでした。
レバースイッチは端子のカシメが緩くなってグラグラの状態で、フロントトーンノブもガタの大きい状態でした。接点の接触不良により生じるノイズかと思いましたが、症状は出ませんでした。
フロントのトーンはシャフト受け部のフレームが変形し、ポット自体が膨らんだような状態でした。
ノブを何かにぶつけたり圧入タイプのノブを無理やり押し込む等、ポットのシャフトに強い力が掛かるとこのようなトラブルが起きることがあります。
シャフトはグラグラとガタが生じる状態でした。
こうなってしまったらポットそのものを交換するか、分解してフレーム修正をしなければ正常な状態には戻せません。
配線の組み直し
相談の結果、ポットとレバースイッチは新品に交換することとなりました。
コンデンサはオリジナルのままで接点復活剤を除去して配線の組み直しを行いました。
ポットはビンテージスタイルのCTSです。見た目と操作時の抵抗感がオリジナルに近いものでのチョイスです。
スイッチも交換し、シャキッとした操作感になりました。
ナットの加工
フレットは交換済み、ナットは交換途中の状態でのお預かりでした。
写真は加工前の状態です。
フレットの高さに合わせてナットを仕上げました。
弦はダダリオの09-42です。
まとめ
こちらのギターはンディショングリーンのシンキさんが10年程使用していたものだそうで、貫禄のあるカッコ良いギターでした。
今回はノイズが酷いということからご依頼いただいたギターのメンテナンスでしたが、終始ノイズは確認出来ないまま作業を終えました。後に解ったことですが、ノイズの正体は“ハムノイズ”でした。
弦に触れている時は出ないということで恐らくこれだろうと判断しましたが、ハムノイズはギターの構造上出てしまうものなので異常ではありません。
ノイズを拾いにくいギターからノイズを拾いやすいギターに持ち替えた場合に「このギターはノイズが出やすいから配線がおかしいのでは?」と思うことはあると思います。
まずは配線等に異常があるかどうか確認することが必要ですが、配線に不具合がない状態でハムノイズを抑えたい場合には導電塗料等でノイズ対策を施したりする等で対策は可能です。導電塗料はただ塗っただけでは効果が出ませんので注意が必要です。
ギターのノイズでお悩みの場合にはご相談ください。