Fender-ST62-Vertical-pickup-arrangement

ギター紹介

コントロール改造前

ちょっと変わったピックアップ配置に改造されたこちらのギターはフェンダージャパンのストラトキャスターです。
ピックアップセレクターのレバー位置←の時は③のピックアップのみ出力されますが、1〜3弦の音を拾ってくれません。レバー位置②の時は4〜6弦の音がアンプから出力されない為、音が出るようにしたいという要望です。

ボディ裏 ジャック

実はこのギター、ボディの裏側にもう1つジャックが追加されています。
こちらのジャックは表面のジャックとは違うピックアップの信号が出力される仕組みとなっていました。レバー位置←の時には表から③、裏から②のピックアップの信号が出力されます。恐らく、アンプを2つ使用することを前提にした仕様なのだと思います。

この改造を施したのは前のオーナー様ということで、現オーナー様はどのポジションでも全ての弦が鳴るようにして欲しいという要望です。

ST-SPB-BODY2

コントロールはこちらの内容で組み直すことになりました。
リアのピックアップがどちらかしか鳴らない時はフロントのピックアップが有効となるので全ての弦の出力を確保することが出来ます。

レバー位置←の時は②と③が直列配線で出力されます。配線のイメージとしてはプレベのような感じで、ハムバッカーともシングルとも違うサウンドです。
変更前のコントロールノブは各ピックアップのボリュームとして割り当てられていましたが、マスターボリュームとトーンのコントロールに変更します。

配線図

ST62-V-配線図

コントロールは上記イラストの内容を基本形として組んでいます。
全く同じカタチではないですが、前オーナー様がやってみたかった事であるステレオ出力が出来るように配線を組み直したので、実際には上のイラストの配線ではなく1軸2連のボリュームポットとノイトリックのNRJ6HM-1というジャクを使用した配線に組み直しています。

ボディ裏のジャックにシールドを接続するとフロントのピックアップの信号がボディ裏のジャックから出力されるように切り替わります。

ST62V配線状態

リアの二つのピックアップを直列で鳴らした時に高音域の物足りなさを感じたので、リアのトーンポットを250kから500kに変更して音質の調整を行いました。
ピックアップのポールピースのノイズが目立ったので、銅箔テープと導電塗料でポールピースノイズをアースへ逃すように処理を行いました。

ピックガードはこのピックアップ配置の為に作り直した物だと思いますが、こちらのピックガードは精度良く丁寧に作られているのが分かりました。ピックアップ部分の切り抜き部分とか、弦に対するポールピースの位置関係の合わせとかの精度がばっちりです。一見奇抜なギターではありますが、きちんと作られている感じがあって見劣り感がない不思議なギターという印象を受けました。

まとめ

ST62V-弦

特徴的なピックアップレイアウトでステレオ出力という拘りの仕様で自分の音を探していた前オーナー様と、このギターを使っていきたいという現オーナー様の想いが詰まった素敵なギターでした。

このギターの作業の様子はYouTubeで紹介しています。

 

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