Fender-American-Series-Jazz-Bass8

トーンが効かない?

Fender American Series Jazz Bass

“トーンコントロールNG”ということでお預かりしたこちらのベース。
お預かりして確認したところトーンは効く状態でした。トーンポットとコンデンサもテストしましたが異常はありません。
どういう不具合なのかを確認したところ「トーンを効かせなくてもトーンが効いている感じがする」ということでした。
フラットワウンド弦が張られていた為それが原因かとも思いましたが、確かにトーンの掛かりは悪い感じです。

Frontisland Fender-American-Series-JB

結果、ハンダの交換で改善しました。古いハンダを一旦除去し、新しいハンダで配線を一から組み直しました。
使用したハンダはケスター44です。交換前に比べ、アンプから出る音が高音域まで鮮明になりました。
ハンダ交換によって高音域の存在感が増した分、トーンの掛かり具合も良くなりました。

ジャックとポットのアース接続はコントロールプレートを介して行う配線方法でしたが、音質の改善を見込んで直接リード線で結線しました。

弦交換とセットアップ

Frontisland Fender-American-Series-Jazz-Bass10

全体のクリーニングを行い、弦を交換しました。
使用した弦は交換前と同じトマスティックJF344です。

比較的テンションが弱い弦のため、他の弦(テンションの強い弦)から張り替えの場合にはトラスロッド調整等のセットアップが必要です。




まとめ

Frontisland Fender-American-Series-Jazz-Bass11

一言に「トーンの調子が悪い」と言っても状況により原因は様々です。
今回の場合はトーン機能そのものに問題はなく、アンプから出力される音域のうちのトーンでカットされる高音域帯の出力が弱いことが原因だったと考えられます。
この“高音域帯の出力が弱い”というサウンドがユーザーさんの好きなサウンドであれば問題ないのですが、今回は違和感を感じるということでハンダを交換して高音域のレンジを広げました。ハンダを交換することで良くも悪くも音質は変化します。ハンダを交換して必ず高音域のレンジが広がるかはやってみないと分からないことなのですが、今回は空気感を感じられる程に変化がありました。

こちらのベースは以前にもメンテナンスでお預かりしたことのあるもので、フレット修正・ナット交換等を行なっています。今回久しぶりに拝見しましたが状態は良好でした。

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